融資を受けてからというもの、本当に前に進むしか無くなった。融資して頂いたお金を元手に、それ以上のお金を生み出す必要があるからだ。もう後には引けない。
融資を受けてからは、本当に毎日朝から晩まで仕事をした。電車移動など少ない時間を縫って、経営やマーケティングの書籍も読み漁った。学がないのを埋め合わせるかのように。
起業から2年ほどは、休みを取ることもなかった。妻と子には申し訳ないが、家族の未来のため今は辛抱してもらうしか無い、そう自分に言い聞かせた。
起業当初は本当に右も左もわからない状態。一人会社ということは、一人で会社の機能を何役も担う必要があるため、本当に混乱した。良くも悪くも毎日が新しいことの連続。そんな中でも、一つだけ明確だったことがある。
それは売上と利益を出して、生計を立てられるようにするということ、その一つにつきる。
達成するためには、魅力的な商材の仕入先を獲得する、通販サイトを立ち上げる、広告戦略を考えるの3つに絞って、とにかく一分一秒でも先に事を進める必要があった。でないと、売上が無いままに経費だけは出続けるという状況に。それだけは何としてでも避けたかった。
本当に未経験、ド素人、そして若さ故に悔しい思いも一杯した。でもその一つひとつが良い未来に繋がると思って、一生懸命頑張った。
売上を上げるための商材も、無い知恵を絞って自分なりに色々と考えた。他社が扱っている商品。モールの売れ筋ランキング。本当に色々と考えて、他では扱っていないような商品を販売する必要があると思った。
そこからは色々な商社に電話を掛けた。アポを取っては、魅力的な商材探し、そして商談をするの繰り返しだ。その甲斐あって、数社取引先を見つけ、中でも一社その後の主要取引先となる会社を見つけることができた。
通販サイトの立ち上げも思いの外順調だった。商工会議所主催のセミナーで知り合った、同じく駆け出しのホームページ制作会社の社長と仲が良くなり、そこの会社に依頼する運びとなった。
その会社から提案を受けたのは、通販システムを0から構築するのは大掛かりとなるので、オープンソースと言われる無料のコマースシステムを使うことだった。
結果、会社は1年を経たずして、何とか回すことが出来るようになった。そう、未経験の僕でも何とかなったと思った瞬間が訪れたのだ。
つづく
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